ある日の午後、妻が私の母親と電話で話していた。
「お義母さん。腰、大丈夫ですか? あーよかった・・・」
私の妻は中国人である。
結婚して来日した当時はほとんど日本語が話せなかったが、
今では普通に私の両親ともコミュニケーションできている。
家の中での会話も日本語である。
次の日、今度は妻が自分の父親と電話で話している。
「爸~、※★〇◇▲□・・・」
「爸(お父さん)」以降、何を話しているのか全く分からない。
妻は楽しそうに話していた。
私の隣では小学生の子供が呟いていた。
「お腹すいた~、ごはんまだかなあ。。。」
私は中国語がほぼ話せない。
お互いのパートナーの母国語を妻は話せるが、
自分は話せないということだ。
でもそれが何だというのか。
日常生活で困ることはない。
妻の両親や兄弟ともめったに会うことはないし、
会ったとしても妻が一緒なので、
妻を介して話せばよいので問題はない。
自分たちは基本的に日本に住んでいる。
妻は日本で生活をするにあたって、
否応なく日本語を使っていく必要があった。
対して自分は中国語を使う必要がなかった。
それだけ。ずっとそう思っていた。
ある時、会社から転勤を命じられた。
いろんな事情で、家族で引っ越すのは難しかったので、
私は単身赴任することになった。
結婚後初めての1人暮らしである。
久しぶりの1人暮らしは寂しい反面、
自分の時間が今までよりも増えることになった。
その日、私はYoutubeで動画を適当に見ていた。
ある動画のサムネが目に入った。
見たことのない女性歌手がこちらを見て
真っすぐ腕を突き出している。
私は何となくその姿に惹かれて動画を開いた。
するとその歌手は中国人で、日本のヒット曲を
中国語、日本語、最後はまた中国語と自在に
歌詞を操りながら、驚異的な巧さで歌い上げていたのである。
カッコイイ。。。
歌が超絶うまいのもあるが、母国語でない言葉を
流暢に話せるのはこんなにカッコイイものなのか。
今、自分には1人の時間がある。今こそ中国語を勉強する
チャンスなのではと思い始めた。
妻に内緒で勉強をして、妻や妻の両親をビックリさせる
ことを目標に頑張ってみようではないかと。
でも一瞬の衝動で勉強してマスターできるほど語学は甘くない。
仮に私が中国で生活するのであれば、
妻と同じように否応なく中国語を使うので、モチベーションは
持続するだろうが、残念ながら私はそうではない。
そこでこのブログを立ち上げることにした。
妻に内緒で勉強する過程を記録していくことで、
勉強を継続するモチベーションを維持していく。
妻の両親、兄弟やその他の中国人とも流暢に
コミュニケーションできる未来を想像しながら。。。